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極細木スガ子のきっぱり言うわよ!

声業界伝説のマネージャー極細木(ごくぼそき)スガ子。酸いも甘いも噛みわけたその経験で、誰も言えなかったことを、今宵も〈きっぱり〉と斬っていく。「事務所の深い落とし穴編」「堕ちたマネージャーたち編」などプロ必見の連載。


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ナレーターインタビュー小さな奇跡

この物語はトッププロたちの華やかなデビューストーリーではありません。
あなたの身近にいる、ナレーターになりたい人達がプロになっていく過程のささやかなお話。

新人ナレーターたちが初めての仕事をつなげていけた瞬間の”小さな奇跡”を綴った実録インタビューです。


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声優からナレーターへ「ヒッキー&ガンバルジャン」

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過去ログ

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ヒッキー&ガンバルジャン【#2】
ヒッキーの「ニートでポンッ!」
第2話 ~あくまでナレーター~

2010年1月1日 ナレーターメルマガ129号より転載

養成所をやめていきなりの人生大逆転!
ベテランの鶴の一声で頂点に!
ははっ人生、らくしょー!
・・・な訳がない_| ̄|○


《これまでのあらすじ》

この物語は引きこもりから抜け出し声優、ナレーターになった男、ヒッキーの物語である。中学高校の青春を”ひきこもってしまった”ことで棒にふってしまったヒッキー。だが、人見知りで会話もできずわがまま放題の元引きこもりにとって、社会の風は冷たかった。職を転々とするそんなヒッキーの前に現れた、魅力的な職業。
「しゃべるだけでガッポリ稼げるなんてラクショー!おれ声優になるっ!」
不逞極まりない夢を描き養成所の門をたたいたヒッキーを待っていたのは噂のマンモス養成所。自分から辞めるまで永遠に通う事が出来るという、アマ~イ蜜の香りのするその空間で気がつけば4年。ようやく養成所をやめる決心をしたヒッキーの前に、とある出会いが待っていたのだった!


ネットでポンっ!

養成所を辞め、仕事もやることもない日々の中、元ひきこもりが手をつけるものは決まっていた。それは「インターネット」。なにげなくネットの中を徘徊する毎日。そんなある日、某ベテラン声優(飛葉ミゲ~ル氏)が、ネットで「ファンと行く温泉ツアー」を募集していた。実はヒッキー、アニメには疎かった。当時はなーんとなく聞いたことあるなぁくらいのお名前だった…でもなぜか気にかかる。行ってみたいと思った。

がしかーーーし!ひとつ大きな問題が!『俺…初対面の人としゃべるの怖い…_| ̄|○ 』
だってヒッキーは、引きこもり。
しかし。声優という大きな目標の前に、そんな障害は・・・・
大きい。もう…だめだ…。

【参加する】というボタンの上にカーソルをあわせたまま動けないヒッキー。ようやくボタンを押した時には、陽がのぼっていたのだった。今にして思えば、朝まで考え続けたこのワンプッシュが、信じられない奇跡を起こしていくのだった。


温泉でポンっ!

旅行はまさにファンの集いといった趣きだった。ベテランとして長い歴史をもつ飛場さんと、まるで10年来の知人のようにはしゃぐファンたち。まんじりともせず、ちょこんと隅に座っているヒッキー。そう、まさに「予想通りの展開」

誰とも話さず入る、雪山の露天風呂は心なしかぬるま湯でした。
帰りたい…いつでも快適で、必要なものならなんでもある、言うことはなんでもきいてくれたあの「自分の部屋」へ。

でも、湯船から出るのも、寒いし。肩までつかった温泉からみる雪景色が、だんだんと灰色に見えだしたころ。
熱燗をがんがん飲みながら飛場さんが『おめさ、そんなに引っ込み思案で、声優さ目指してるの?おもしろいじゃない。今度わだずの舞台の手伝い、やってみる?』

ばしゃん!
おもわず温泉でおぼれかけた。予想「ガイ」の展開が待っていた。パパが犬どころの騒ぎじゃない!アニキがガイジンどころの騒ぎじゃない!

え?マジっすか?
ホンキで言ってるんですか?だって、私ヒッキーですよ?
しかし、事の重大さを考え、次の瞬間心が躍り出す。
そりゃもう、ソッコー超お手伝いしますよ。ヒッキーで良かったら、何でもしますよ。全言撤回しないうちに、早くお手伝いさせて下さい。

という心の声は、ヒッキーであるが故に言葉にならなかった…が、どうしても参加したい。あらん限りのボディランゲージを駆使して、”やらせてください!”ということを伝えたのだった。


舞台でポンっ!

後日、スタッフから電話が入る。「ヒッキー様ですか?ウチの飛葉からからお話がありまして、お電話しました。舞台をお手伝いしていただけるとの事で・・・本当にありがとうございます。」

ひっきー”様”っ?!!!
な、ななんですか、こ、この超テイネイな喋りは・・・?
ヒッキー、人生初体験!た、大切にされてるーっ!ここで初めて気づく。
ベテラン声優は、ホントに凄いヒトだった!思えばビッグタイトルでの主役を持ち、脇にまわってもかならず異彩を放つ存在。これぞまさに威光ですよ。大物俳優の2世みたいな、そんなアツカイですよ。ヒッキー、養成所をやめていきなりの人生大逆転!見事、ベテラン声優の鶴の一声で頂点に上りつめる!・・こうして、舞台のお手伝いが始まった。
お手伝いは、そりゃ一生懸命やりましたよ。何やったか覚えてないけど、頑張った印象だけは覚えています。と言っても、ムズカシイ事は何もない。
だってね、もう稽古は始まっちゃってるし、この時点で残ってる仕事なんてほとんどなかったのですわ。ちなみに、その頃の一日のスケジュールと言えば・・・。
稽古(見学)→飲み会→おごってもらう→稽古(見学)→飲み会→おごってもらう→(以下略)
ははっ。人生、らくしょー・・・な訳がない。

その頃ついたあだ名は「宇宙人」。濃密な劇団生活の中でもまだ、人とうまく会話も出来なかったのだ。
嗚呼。早く人間になりた~~い。そう、しゃべることが仕事の声優を目指しているのに、あたり前の会話すらきちんとできない自分。
・・・それも一時の有頂天だった。気づいてみるとまたもやどん底にいるヒッキー。
やはり声優になるのは無理なのか・・・。

そう、ヒッキーは、自室から飛び出し社会復帰をするはずが、いつしか宇宙空間まで飛んでいってしまっていました。

季節は、春。
連日稽古通いするヒッキーを、街路樹の若葉が見守っていました。
そんなヒッキーにまたしても奇跡がおこる!つづく。

 

(→次ページ第3話からは、同時進行で連載されたガンバルジャンの物語がスタート!)

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