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極細木スガ子のきっぱり言うわよ!

声業界伝説のマネージャー極細木(ごくぼそき)スガ子。酸いも甘いも噛みわけたその経験で、誰も言えなかったことを、今宵も〈きっぱり〉と斬っていく。「事務所の深い落とし穴編」「堕ちたマネージャーたち編」などプロ必見の連載。


プ┃ロ┃に┃な┃る┃瞬┃間┃
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ナレーターインタビュー小さな奇跡

この物語はトッププロたちの華やかなデビューストーリーではありません。
あなたの身近にいる、ナレーターになりたい人達がプロになっていく過程のささやかなお話。

新人ナレーターたちが初めての仕事をつなげていけた瞬間の”小さな奇跡”を綴った実録インタビューです。


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声優からナレーターへ「ヒッキー&ガンバルジャン」

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過去ログ

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ヒッキー&ガンバルジャン【#4】

ヒッキーの「ニートでポンっ!」

【第3話】『オーディションでカンッ!』

2010年1月14日 ナレーターメルマガ130号より転載

イキナリの「正所属」!!
ジュニアのギャラランクをすっとばすことができたのだーっ!


《これまでのあらすじ》

この物語は引きこもりから抜け出し声優、ナレーターになった男、ヒッキーの物語である。 「しゃべるだけでガッポリ稼げるなんて、声優ってラクショーじゃ~ん!」と不逞極まりない夢を描き養成所の門をたたいたヒッキーは4年目にして2度目の引きこもりから脱出をするかのごとく、養成所をやめる決心をする。
そんなヒッキーの前に現れた、有名声優「飛葉ミゲ~ル」氏との出会い。人見知りの恐怖に震えつつ参加したファン温泉旅行中、まさかまさかの舞台の手伝いを命じれたヒッキー。やがて深く関わるようになって・・・


紹介でぽんっ!

飛場ミゲ~ル主催の舞台のお手伝いを命じられ、稽古(見学)→飲み会→おごってもらう→稽古(見学)→飲み会→おごってもらう→(以下略)などとそんな素行をくりかえすうち、「宇宙人」というあだ名をつけられ、社会復帰がまだまだ遠いことを認識したワタシ…。しかし、それでも、ヒッキーを「人間」に戻してくれる魔法使いミゲ~ルさんは見捨てなかった。
「ヒッキーさぁ、養成所はやめたんだよね?だったら事務所紹介するから、そこに入りなさい」


思考停止。ジムショヲショウカイ?


ちなみに声優系では、こういった「紹介」であっけなく事務所所属になるケースがまれにある。
アニメでは役名のないその他大勢のことを、”ガヤ”と呼び、多くの事務所では”ガヤ”要因としてとりあえずの「頭数」を揃えて送り込んだりするのである。そんな”ガヤ”でさえ若手声優の芸歴を水増しするために使い、おまけに宣伝にも利用したりするのである。だけどヒッキーがこの時薦めてもらったのは、幸いにして名の通った大手事務所だった。生き残りのサバイバルは大変かもしれないが『きちんと仕事をしている事務所』という漠然とした安心感があった。


は、は、はいりますーーっ!!
あまりの出来事に、「心の中の声」ですらどもってしまう。
連日スケジュール帳は真っ黒。コンサート会場でお客さんから歓声に答える僕…
そんな妄想で、夜も眠れない日が続く。
待ってろ事務所!またまた人生の再逆転に成功だ!


・・・と思ったのもつかの間。
紹介してくれた筈の事務所から一向に連絡がこない。
1ヶ月たち・・・
3ヶ月たち・・・
6ヶ月たち・・・もう師走に入り、年を越そうかというまさにその時。
1本の電話が!


オーディションでカンッ!

「声優事務所の『パッポン・プラ』と申しますが、今度、オーディションがあるので来て下さい」
ガチャ「ツーツーツー」


ついに来たぁ!憧れの「ジムショ」からですよ。ん?
でも、ちょっと待てよ。何か聞き慣れない事言ってたような・・・。
ってえええ??オ、オォーディション?
またもや暗雲が立ちこめる。『初対面相手に目をそらさないで話す』練習しなければ。


とりあえず「パッポン・プラ」のオーディションに出かける。
しかし、いきなり予想もしなかった事態が訪れたのだ。「あ、ミゲ~ルの紹介なんですね~。ハイ、分かりました」


え?
何が分かったのか、が分からない。
だがそのままオーディション「終了」。


そう。「ベテラン声優ミゲ~ル」と「紹介」というキーワードは、魔法の言葉だった。
おそるべし、飛場ミゲ~ル・・・・。あの大手『ベビバンバン・プロ』をこうも簡単に陥落してしまうとは。やはり彼は宇宙人を人間にしてしまう魔法使いだったのか。そんな魔法使いの前には「実力」という言葉さえ、霞んで見えた。
しかも、ここでまたミラクルが起こる。


つづきの前にすこし解説。通常、声優事務所に入った場合(組合に加盟すると)新人として「ジュニアランク」と呼ばれる最低のギャラから始めなければいけない。どんなに人気のある主役をやっても約8000円~1万5千円。しかもそこからマネージメント料や源泉税を引かれるというそれはそれはフトコロのさみしい世界。もちろんジュニアは「新人の礼儀」で誰よりも早く現場に入り最後に出たうえ、毎度の飲み会にも出なければならない1日仕事。
しかし!新人声優にとってジュニアの期間は、安いギャラだからこそ”ガヤ”などの仕事が多く巡ってくる時期でもあるのだ。悲しいことに、仕事本数があるからといってジュニアのまま居続けたいと願う、志の低い者も少なくはないのが現状なのだ。



正所属でぽんっ!

だが・・・幸か不幸かヒッキーはそれ以前に、ほ~んの少しだけ飛葉ミゲ~ルの紹介で仕事をして組合に加盟していたのだ。なんということか、それを事務所が考慮してなのか、誤解してなのか?イキナリの「正所属」!!ジュニアのギャラランクをすっとばすことができたのだーっ!

またもやイキナリ頂点にまっしぐら!
ジェットコースターの如く上下する人生に眩暈と恍惚を覚える。
わはは。人生ってカンタンじゃねーーー?
などと思ったのもつかの間、やっぱり人生甘くなかった・・・・。

次回ヒッキーサイドは『プータローにリーチッ!』の巻、乞うご期待。

(→次ページ第5話の語り手は、再びガンバルジャンに戻ります!)


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