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極細木スガ子のきっぱり言うわよ!

声業界伝説のマネージャー極細木(ごくぼそき)スガ子。酸いも甘いも噛みわけたその経験で、誰も言えなかったことを、今宵も〈きっぱり〉と斬っていく。「事務所の深い落とし穴編」「堕ちたマネージャーたち編」などプロ必見の連載。


プ┃ロ┃に┃な┃る┃瞬┃間┃
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ナレーターインタビュー小さな奇跡

この物語はトッププロたちの華やかなデビューストーリーではありません。
あなたの身近にいる、ナレーターになりたい人達がプロになっていく過程のささやかなお話。

新人ナレーターたちが初めての仕事をつなげていけた瞬間の”小さな奇跡”を綴った実録インタビューです。


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声優からナレーターへ「ヒッキー&ガンバルジャン」

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過去ログ

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ヒッキー&ガンバルジャン【#5】

ガンバル・ジャンの【ジュニア☆頑張るじゃん!】
~でもやっぱりナレーター~

第2幕『とびばこの章』

2010年1月14日 ナレーターメルマガ130号より転載

マネージャーに見てもらえるのは二年間でただ一度。そのチャンスで目立ってアピールしたいのにそのチャンスをもらえないでは、なんと無情でありましょうか


この物語は、大手声優事務所に所属するナレーター「ガンバル・ ジャン」の”レ・ミゼラブル(ああ無情)”なストーリーである。 同級生のなにげない一言「声、いいネ!」の褒め言葉をきっかけに、向こう見ずにも声業界に飛び込んでしまったガンバル・ジャ ン。彼の生き様は、まさにパン一つを盗んだがゆえに19年もの投獄生 活を送ってしまった本家「レ・ミゼラブル」のジャン・ヴァルジャ ンも真っ青な人生であったー。



声業界に憧れ幾度かの遠回りをへて入った「パッポンプラ事務所」付属養成所に通う日々。そんな私たち生徒の前に『2 年間の集大成、卒業公演(卒公)』というものがやってきました。
そこで生徒間でまことしやかに起こった噂が、「合格を優先されているキャスティングがあるのではないか?!」

事務所付属の養成所だというのに、オーディション前にマネージャーに見てもらえるのは二年間でただ一度。そのチャンスで目 立ってアピールしたいのにそのチャンスをもらえないでは、なんと 無情でありましょうか。小川に流される落ち葉のような私たち生徒 は、そのつど激流のような噂に翻弄されては疑心暗鬼に駆られると いう状況。不安定さに募るイラだちは優先キャスティング(だとされる)同級生へ向けられる。マイク前にたちたいと思ってきた養成所で、先のみえない舞台の練習…そして、ねたみとそねみと不安と優越感のちゃんこ鍋のごとき煮え煮えの稽古風景…
『俺、何しにここへきたんだっけ…』
だが運命の激流の前に足を止めるわけにもいかなかったのです。

そんな舞台裏にのみ火花散った卒公がなんとか終わると、『ジュニアオーディション』が待っているわけです。『ここで受かれば夢にまでみた彼岸の事務所所属!落ちれば奈落のフリーター!敗者復 活なしのガチンコ一本勝負!』という、まさに大貧民あと数歩のところで「革命カード!」のごとき、うーん先生の評価に一喜一憂したり、噂に振り回されたり、そんな2年の養成所生活はいったい何だったんだと言いたくなる、一歩間違えれば恐ろしい人生リセットボタン。

スタジオに行き、自分の順番を待つ。この待ち時間の長いこと。1枚の原稿を持つ手が汗ばむ。実技を先に終えた人間が半べそで帰ってくる。それをみた皆の緊張はさらに倍。たくさんの人がいるのに、無言のロビー。ついに自分の番。そのあと何があったのか、あまりの緊張に全く憶えていません。ただ、なぜか打ちひしがれていた・・・。

そして一週間後。
ペラッペラの封筒に……ジュニア合格。合格?!まさに飛び上がりました!!
結果的に「優先キャスティング」はただの噂にすぎませんでした。

そして初めて会う社長の訓示は「若手をしっかり育てていきます」という内容だった。ああ、なんて素晴らしい事務所に入れて良かった。まさに薔薇色の人生へまっしぐら!みたいな・・・。この数年の放浪の旅に安住のオアシスを見つけた気持になったのでした。

ともに合格した仲間と、「初仕事はいつごろになるのかな~」「明日や明後日くらいには事務所から電話が来たりして・・・」はち切れそうな期待で語り合う友人達の顔は、みな笑顔でした。

それから半年。誰の電話も鳴りませんでした。私達はようやく悟ることになったのです。
船底の重労働のように暗い中で、仲間割れなどしつつ一喜一憂して すごしていた2年間。その間に、私たち養成所組を、ばんばん飛び越えていた輩がいたことを。「ひきこもりだったけど、有名声優の紹介で事務所入れちゃった!わはは。人生ってカンタンじゃねーーー?」などとぬかす輩だ。そいつは審査もなしにシレ~っと事務所に横入りしたあげく、あろうことか仕事までこなしていたのだ!

『ああ無情』恵みの雨がしずくとなって船底に落ちる前に、甲板の上ではさんさんと日が当たり、雨は乾いていた。そんな情景に思えました。

次週、夢にまでみたジュニアの生活が明らかに。
花よ蝶よとおだてられ 咲いてみせればまた散らされる…『第3幕 恨み節の章』待て。しかして希望せよ。

(→次ページ第6話もガンバルジャン視点のお話です)


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